10月1日(木)よりインフルエンザの予防接種が始まりました。
当院での接種時間等につきましてはコチラをご参照ください。
https://www.mihara-shiromachi-hp.or.jp/info/1226/
インフルエンザワクチンとは?
さて、今年はコロナ禍の中にあり、例年以上にワクチン接種の重要性が叫ばれ、皆様もいつも以上に関心が高まっていることと思います。
そもそもインフルエンザワクチンとは?
IgG抗体があーなってこーなって、とかいう専門的な話は置いておいて、この話になると必ず出てくる意見が「インフルエンザワクチンって効くんか?ワクチン打っても熱出たよ!意味ないでしょ!」です。
確かにワクチンを打ったにも関わらず感染したという例が多いのも事実です。これは、このワクチンの特徴・目的を考えると致し方ないところ。
インフルエンザ予防接種の目的
そもそも、インフルエンザワクチンの一番の目的は重症化を防ぐということで、厚労省もワクチンの効果について「65歳以上の健常な高齢者について約80%の死亡を阻止する効果があった」としており、年齢が高く比較的リスクの高い方に対して、肺炎などの重い合併症や入院、さらには死亡といった重篤な転帰(結末)にいたらないようにするのが一番の狙いです。
また、感染拡大抑止にも全く効果がないわけではありません。
インフルエンザワクチンの予防効果は60%~70%くらいと言われており、“はしか”などの他のワクチンと比べると予防効果はやや低く、1000人いれば300〜400人は完全に予防できない可能性があります。ただ、予防効果が非常に少ないように思われるかもしれませんが、重症化リスクの高い高齢者だけでも3000万人以上いますので、この大きな集団で見ると大変な効果と言えます。
インフルエンザの感染力と新型コロナウイルスの関係
さらには、インフルエンザ流行期において、ワクチン等何の予防対策をしていない場合のインフルエンザ発症率は10%程度と言われています。1,000人住民のいる村があったとして、もし全員がワクチンを接種しなければ発症者が100人になるところ、1,000人全員が接種すれば30〜40人程度に抑えられます。これを日本全体で見るとどうなるでしょう?物凄い数になります。また、ワクチン接種後に発症したとしても上記のように軽症で済むことも知られています。
また、発症者が少なくなればなるほど、それだけ別の人にうつす機会が減ります。それを考えるとみんなが接種すれば相乗効果により発症者割合はさらに少なくなっていくことになります。
これから寒くなりコロナ禍の中でインフルエンザ流行期を迎えることになります。そのような中でインフルエンザが大流行しますと、症状が類似した両者を判別するため、医療機関は発熱外来をフル回転させ、厳重な感染予防、検査のための多大な労力と時間を割くこととなり、新型コロナ感染者はもちろんのこと交通事故や糖尿病・癌といった他の医療を必要とする患者さんの治療ができなくなり、医療崩壊を引き起こし兼ねません。それを少しでも抑えるため、本年は特にワクチン接種の重要性が叫ばれているのです。それにインフルエンザにかかって免疫力が低下した中、コロナにかかったらどうなるか全然わかりませんしね…
おわりに
ワクチンに対し懐疑的な方もいらっしゃるかと存じますが、本年は自分のためだけでなく家族をはじめ周りの人のために、できるだけ皆さんに接種いただければと存じます。
尚、ワクチン接種後、効果が出るまでには2週間程度かかります。流行前の12月初旬ころまでに接種されることをおすすめします。
感染対策委員会