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貧血のおはなし

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貧血のおはなし

○○さんが貧血で倒れたー! ~貧血とは~

校長先生のありがたーいお話を、長時間立ちっぱなしで拝聴していた学生時代(令和には無い!?)バターン!という大きな音とともに「○○さんが貧血で倒れたー!」という事象、皆さんも経験あるかと存じます。今回は、そんな比較的なじみのある(?)“貧血”についてご紹介。
ちなみに、このように長時間直立不動で立った時に倒れたり、立ち上がった時にフラッとするのは貧血とは直接関係なく、血液の循環を調節する自律神経の失調のため血圧が下がり、脳への血液循環が低下する(いわゆる脳貧血)のが原因であることがほとんどで、起立性調節障害、通称ODと言われます。

医療で言う貧血とは、血液中の赤血球の中にある酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビン(血色素とも言い、血液が赤いのはこの物質が赤いから)の濃度が低くなり、身体の隅々まで充分な酸素を運べなくなった状態を指します。そして身体の中の酸素が不足し、立ちくらみ、めまい、だるいといった症状が出やすくなります。また、身体は酸素不足を感知して少しでも酸素を取り入れ、血液を多く流そうとしますので、息切れや動悸を感じるようになります。

貧血の原因

貧血の原因で多いものには2つあります。
一つは、ヘモグロビンを作る原料となる“鉄分”の不足で「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるものです。
子どもの成長期や妊娠時等の鉄需要増大においつかず鉄不足、ダイエット・偏食による鉄摂取不足がイメージしやすいと思いますが、慢性的な出血が原因(摂取する鉄分より、出ていく鉄分が多くなってしまう)であることも多く、注意が必要です。
例えば胃潰瘍や胃がん・大腸がん・大腸ポリープなどの消化管出血、女性ですと子宮筋腫や子宮内膜症、子宮がんなどによる月経過多や不正性器出血です。
これらの場合は頑張ってレバーを食べたり、少量の鉄分を含むサプリメントだけでは良くならず、貧血が進行する場合があります。したがって原因の除去と医療用の鉄剤の服用が必要となります。

もう一つは、慢性疾患に伴う貧血です。慢性の炎症性疾患、なかでも慢性感染症や関節リウマチ,腎疾患,悪性腫瘍、さらに腎不全や肝障害に伴う貧血があります。

この2つで貧血の大半をしめます。

また、頻度は高くありませんが、
■赤血球を上手に作ることができない:赤血球は骨髄で作られますが、白血病や再生不良性貧血では造血ができず貧血になります。
■赤血球を壊してしまう:自己免疫性溶血性貧血や一時マスコミでもにぎわした腸管出血性大腸菌感染に引き続いて発症する溶血性尿毒症症候群など
といった疾患が原因である場合もあります。

貧血でお困りの方、また症状が無くても健康診断などで貧血を指摘された方は、隠れた重大な病気を見逃さないためにも、医療機関を受診するようにしてください。

監修:血液内科/吉田 徹巳

24時間駐車場あり
当病院外来患者さんは無料でご利用いただけます
JR「三原駅南口」から徒歩5分。マリンロードに入ってから最初の信号(城町交差点)を左に曲ってしばらくお進みください。三原市福祉会館、ないし少し大きな公園が目印です。

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