オンラインHDF
通常の血液透析(HD)で取り除くことが難しい毒素を除去するための治療法です。置換液として無菌化した透析液(超純水透析液)を注入し行う治療法です。
オンラインHDFの治療効果
- 関節痛の改善
- かゆみの軽減
- 食欲、貧血、不眠、イライラ感の改善
- 透析アミロイドーシスの発生予防
I-HDF(間歇補液HDF)
従来の血液透析では、治療後半になると過度の除水により末梢循環障害の状態になり、しばしば急激な体液量の減少に伴う血圧低下を招くことがあります。
I-HDFとは、透析中に一定間隔の時間において、一定量の透析液を透析回路(体内)に補液する治療方法です。また補液した水分量は治療時間内に除水するシステムです。
I-HDFの治療効果
- 血圧低下の予防
- 下肢けいれんの予防
- 老廃物を効率良く除去できる
HD(血液透析)
体内にたまった尿毒症の原因物質や老廃物の排泄、血液中の電解質と酸性・アルカリ性のバランスの維持、体液量の調節をします。大きな物質を除去しにくいという欠点がありますが、小さな物質の除去にすぐれています。
LDLアフェレーシス
体から取りだした血液を血漿分離膜で血球成分と血漿成分に分けた後、血漿成分を吸着器に通し悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を選択的に取り除くことで血液がサラサラになります。また血管が広がりやすくなるので、血液や酸素、栄養分が体のすみずみまで行き渡るようになります。
当院では、主に家族性高コレステロール血症の患者さんの治療に施行していますが、近年増加している下肢の閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者さんにも有効な治療とされており、冷感やしびれを改善するなどの効果が期待されます。また、LDLアフェレーシスは悪玉コレステロールを除去するだけでなく、フィブリノーゲンも低下させるため、微小循環の改善による下肢の血流改善の効果も期待できます。
閉塞性動脈硬化症の治療では1回約2~3時間、3ヶ月以内で合計10回程度の治療を行います。
CHDF(持続的血液透析ろ過)
急性腎不全を合併した心不全や多臓器不全などの循環動態の不安定な患者さんにゆっくり時間をかけて透析ろ過を行う治療法です。
PMX(エンドトキシン吸着療法)
重症感染症の患者さんに対して行う治療で、血液を吸着器に接触させることで原因物質を除去します。
血漿交換療法
体から取り出した血液を血漿分離膜で血球成分と血漿成分に分けた後に、病気の原因物質を含む血漿のみを廃棄して、同量の新鮮凍結血漿と交換する治療法です。健常な方の血漿を入れることで、凝固因子など不足しているものを補うことができます。
血漿吸着療法
体から取り出した血液を血漿分離膜で血球成分と血漿成分に分けた後に、血漿成分のみを吸着器に通すことで、病気の原因物質のみを吸着して除去する治療法です。
当院では主に、LDLアフェレーシス、ビリルビン吸着などを行っています。
LCAP(白血球除去療法)
潰瘍性大腸炎の患者さんに対して、セルソーバと言われる吸着器に血液を接触させることで原因物質を除去する血液浄化法です。
リクセル(β2‐ミクログロブリン吸着療法)
透析療法を長い期間受けられている患者さんの中に、透析アミロイド症を発症される方がいます。
腎臓病で腎機能が低下すると、透析アミロイド症の原因物質となるβ2‐ミクログロブリンが血中に蓄積します。この物質は、関節に痛みが起こる、骨が脆くなる(骨折の原因)、神経を圧迫する(しびれの原因)といった様々な症状を引き起こします。
リクセルは、透析治療中に血液を吸着器に通すことでβ2‐ミクログロブリンを選択的に除去する治療です。治療には適応条件がありますので、まずはご相談ください。
CART(腹水濾過濃縮再静注法)
癌や肝硬変などによってたまった腹水を採取、それを濾過濃縮して、患者さんに再静注する治療法です。